微生物学的検査
主に感染症が疑われる部位からの原因菌を検出し、その菌にはどのような抗菌薬が効くのかを検査しています。また、病院に対して院内感染レポートなどの情報も提供しています。
近年様々な耐性菌が出現し、院内感染対策の重要性が高まってきており、微生物検査へのニーズも増してきています。
質量分析装置(MALDI Sirius one)
手作業が多く熟練が要求される微生物検査においても、可能な限り自動機器を取り入れています。
質量分析装置で菌の同定を行うため、検体受領翌日には菌名報告が可能になりました。
自動菌液分注装置(下)、
微生物感受性分析装置(上)(イノキュレータuni 192、DPS 192 Ark)
一定の濃度に調整した菌液を192ウェルある感受性プレートに自動分注します。菌の発育の有無は肉眼での確認が困難ため分注翌日に分析装置で確認します。
血液培養自動分析装置(BACTEC FX System)
敗血症、菌血症が疑われる患者様から採血した血液を専用のボトルに接種し、装置にセットします。セットすると10分毎にボトル内の菌の発育を監視し、陽性になると知らせてくれるので、リアルタイムの報告が可能です。
全自動抗酸菌培養検査装置(BACTEC MGIT960)
前処理した検査材料を液体培地の入った培養チューブに接種し、装置にセットすると血液培養と同様に 菌の発育状況を経時的に監視します。小川培地では結核菌が陽性になるまで約1ヶ月、陰性判定までに8週間を要しますが、この装置では多くは2週間で陽性となり、6週間で陰性判定ができます。材料の前処理では3000Gの高速冷却遠心機で集菌しますので感度的にも優れています。
リアルタイム PCR 装置
(Thermal Cycler Dice® Real Time System III)
SARS-CoV-2の検出に使用しています。サンプルと前処理試薬の混合液を熱処理するだけの簡易核酸抽出で検査ができるため、前処理から検出まで約1時間と迅速な検査が可能です。
SARS-CoV-2 だけでなく、検便のサルモネラ菌、赤痢菌、病原大腸菌、ノロウイルスの検出なども可能です。
統計システム
院内感染対策において微生物検査の役割は極めて大きくデータ管理や集計作業は欠かせないものになっています。
クライアントの要望する定期レポートを各施設の端末から出力したり、施設単位で使用できる条件検索 機能、アウトブレイク監視機能、JANIS提供データ出力支援システムなど、有用な機能が搭載された統計システムです。