血液学的検査・一般検査
当検査室では血液学的検査(末梢血液検査・凝固線溶系検査・輸血検査)と一般検査(尿一般検査・便潜血検査)を行っています。
血液学的検査
末梢血液検査
末梢血液検査では、Sysmex社製の多項目血球分析装置XN-9100を導入しています。当機器は血算・血液像・網状赤血球数についてより細かい血球分類機序を用いて分析が可能であり、より品質の高い検査結果を提供しています。
各項目の分析や再検査、末梢血塗抹標本作製や染色作業といった工程は機器にて自動で行われるため、ヒューマンエラーを防止し、かつ効率性を備えた体制を構築しています。
白血病やリンパ腫などの血液疾患をはじめ、感染症、入院、手術前後のスクリーニング等、様々な疾患や状況において依頼を受け、臨床にデータを提供しています。
また、血液学的検査・一般検査室では専用のサーバーを設置し、測定機器からの詳細な情報や、検査測定状況をリアルタイムで把握できる検査システムを取り入れています。
機器測定の他、普通染色による血液像の目視分類のほか、ペルオキシダーゼ染色など特殊染色も行い、より診断に直結した検査を行っています。
顕微鏡はディスカッション顕微鏡を含む全3台を設置しております。
ルーチン検査で認められた鑑別に苦慮した細胞の共有や定期的な症例検討会による知識向上など、ディスカッション顕微鏡を用いて血液像検査の精度及び品質の向上を目的とした教育にも注力しています。
凝固・線溶系検査
Sysmex社製の全自動血液凝固分析装置CN3000を導入し、凝固系4項目(PT、APTT、Fib、AT)と線溶系2項目(FDP、Dダイマー)の測定を行っています。
またPT、APTTは用手法の検査も行っています。
輸血検査
輸血検査では、血液型検査及び不規則抗体検査を行っています。
Ortho Clinical Diagnostics社製の血液型分析装置Ortho VISONを2台導入する事で輸血検査の自動化により検体取り違いなどのリスク回避や、精査に費やす時間の確保ができ、高い品質を保つとともにダウンタイムを回避できる体制をとっています。
機器測定結果が判定保留になった際や、RhD陰性確認試験実施が必要な場合は用手法にて検査を行います。
用手法では、試験管法の他に必要に応じてスライド法やレクチン検査を行います。
一般検査
尿一般検査
尿一般検査では、400件/時間の処理を可能とする栄研化学社製のUS-3500MSを導入し巡回健診の尿定性検査や八潮市内の学校検尿を行っています。
また尿一般検査専用に顕微鏡を設置しており、老健施設等からご依頼を受けた際には尿沈渣検査を行っています。
便潜血検査
便潜血検査では、320件/時間の処理を可能とする栄研化学社製の自動便潜血測定装置(OCセンサー)を用いて免疫学的に便中ヘモグロビンの検出を行っています。